2014年5月29日

KOWAズームアイピースTE-11WZとiPhone

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これまで、倍率30倍のアイピース(TE-17W)を使っていました。
iPhoneの倍率と掛け合わせて、35mm判換算990mmの焦点距離になります。
990mmもあれば十分だろうと思っていたのですが、実際に野鳥をそれなりの大きさで撮影しようと思ったら、これでは足りなくて、さらにiPhoneのデジタルズームを2倍近く使わなくてはなりませんでした。

承知の通り、デジタルズームを使うと、画質が落ちます。
できることなら、使いたくありません。

そこで、ズームアイピースTE-11WZ(メーカー製品サイトへ)です。
倍率は25〜60倍!
60倍……
iPhoneとの組み合わせで、焦点距離は35mm版換算で1980mmになります。
単純計算では、今まで30倍のアイピースで2倍のデジタルズームをしていたのと同じ倍率が、デジタルズームをしなくても得られることになります!

問題は、ケラレがどの程度発生するか。
高い買い物になります。買ってみたら、ケラレを無くすために、また2倍近くデジタルズームを使わなければならないとあっては泣くに泣けません。

そこで下調べ。

ネットで検索……

が、ネット上のどこを探しても、iPhoneとTE-11WZの組み合わせについて書かれたものがありません。
唯一、YouTubeでこの組み合わせで撮影されたという動画があっただけです。


こうなったら、実際に試してみるしかありません。

で、買いました。

で、撮影すると、こうなりました。
・25〜50倍

・60倍
(画像が鮮明でないのは大気の影響です)

50倍あたりからケラレもなくなり、画角のほぼ全体が使えます!

・一応、60倍 x デジタルズームMax


●使用感
TE-11WZの60倍での画角は、やはりTE-17W(30×)で2倍デジタルズームしたのと、そう変わらない感じです。

・TE-17W(30倍でデジタルズーム2倍使用)

・TE-11WZ(60倍)

さらにそこから、デジタルズームを2倍にすると、いよいよ“デジスコらしく”なってきました。
(結局、面白くなってきたからデジタルズームを使ってます)

しかし、ここから腕と機材の要求されるレベルが一段と上がります。

TE-17W(30×)では、まだ許容範囲だったManfrotto MT293A3のブレも、ここまで倍率が上がると、大きく影響してきます。
まるで、ベルボンの「ファミリー三脚」で撮影していた時のように、ブレの収束にかかる時間が長くなります。
また、Manfrotto 055XBでもブレが気になるようになりました。
そして、ジンバルヘッドSIRUI PH-20も、この倍率になると微調整が難しくなり、ほんのわずかだけ動かそうとすると、カクンと動いてしまい、なかなか思ったところに収まってくれません。

ここからが、デジスコの入口なのか……。


<参照>
iPhoneで望遠撮影 -6:三脚・雲台
三脚の軽量化を試みる:マンフロット MT293A3


(35mm判換算レンズ焦点距離:1980mm x iPhoneのデジタルズーム2.0X|f値:2.4|シャッタースピード:1/20|ISO:64)


(35mm判換算レンズ焦点距離:1980mm x iPhoneのデジタルズーム2.0X|f値:2.4|シャッタースピード:1/20|ISO:125)


(35mm判換算レンズ焦点距離:1980mm x iPhoneのデジタルズーム2.0X|f値:2.4|シャッタースピード:1/20|ISO:80)


望遠鏡というより、マクロレンズを覗いてるみたい。




2014年5月27日

TSN-IP5用の遮光フードを作る

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5月に入って日差しも強くなり、屋外の撮影では、iPhoneの液晶画面が見えづらくなってきました。
そこで、遮光フードを作りました。(……って、実際に作ったのは2月ですが)


折り畳めます。


こんな簡易的なものでも、効果は大きいです。
ピントの確認も、30%くらい向上したように思います。
30%というと大したことないようにも思えますが、もう、これなしでは、正確なピント合わせができない……と思えるくらいの必需品になりました。
もとより、いくらRetinaディスプレイといえど、iPhoneの画面では正確なピントの確認はできませんが。



TSN-IP5用ですが、一般的なサイズのiPhone 5 / 5sケースでも合うと思います。(固定はできませんが)

スリープ/スリープ解除ボタンを押すための厚紙を貼る。


2014年5月13日

iPhoneでピンホールカメラ

iPhoneのレンズにピンホールをつけたら、ピンホールカメラみたいに撮れるのか?
試してみました。


ケント紙とかに針で穴を開けて作ってもいいのですが、「学研の大人の科学」のピンホールカメラがあったので、これのピンホール板を使用。

これを、マスキングテープでiPhoneに貼り付けました。


●撮影

まずは、iPhoneでそのまま撮影。
(シャッタースピード:1/1323 ISO:50)

今度は、ピンホールで。
(シャッタースピード:1/60 ISO:64)

写る、写る。
周辺減光も適度にあって、画質もピンホールカメラみたいです。

スクエアにすると、いい感じです。
(シャッタースピード:1/120 ISO:80)

しかし、これ、本当にピンホールの画像なのでしょうか?
ただ単に、小さな穴から撮影したから、光量が減ってノイズが出ているだけなのかも?

そこで、被写界深度を確かめてみました。
・iPhoneのレンズ
(シャッタースピード:1/252 ISO:50)

・ピンホール
(シャッタースピード:1/20 ISO:125)

・iPhoneのレンズ
(シャッタースピード:1/1130 ISO:50 三脚使用)

・ピンホール
(シャッタースピード:1/60 ISO:64 三脚使用)

おぉ〜、被写界深度が深い!
パンフォーカス、まさしくピンホールカメラ!


接写だってマクロレンズをつけなくても、この通り!
(シャッタースピード:1/20 ISO:400)


(シャッタースピード:1/17 ISO:400 三脚使用)

(シャッタースピード:1/24 ISO:64 三脚使用)


フィルムで撮影するより“味”が薄い感じもしますが、手軽にピンホールカメラの雰囲気を楽しめます。
フィルムでは晴天時でも2秒とか必要な露光時間も、iPhoneでなら手持ちで撮影できます。
ただ、シャッタースピードが二桁台になると、手ブレしやすくなりますので気をつけて……って、まあ、それも“味”なんでしょうが。




2014年5月2日

iPhone野鳥写真 2:アオバト

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1月も終わりのことです。
前の記事に書いたようなことを、あれこれ試しながら撮影していると、一眼レフで野鳥撮影をしているおっちゃんに「なに撮ってんの?」と声をかけられました。
こんなヘンテコな機材で撮影していると、よく声をかけられます。
私は「特に何ということもなく……」と答えると、おっちゃんは「あっちでアオバト見れるから行ったらええよ」と教えてくれました。

アオバト!?
よく知らないけど、こんな街の中心部で見られるものなのか?

なんでも、向こうに樫の木があって、昼の12時から1時くらいに、その木の下に落ちているドングリを食べにくるということです。
時刻は12時を少し回ったところ、ちょうどいい時間です!
さっそく、教えてもらった木のところに行ってみます。

この木です。

木の下には、確かにドングリがたくさん落ちています。(*実際には、後ほど確認)
ハトからしてみれば、けっこう大きいけど、これを食べるのか?


木の周辺には、すでに三人ほど待機していました。
おばちゃん二人と、三脚を立てているおっちゃん一人。そのうちの三脚を立てている人に「ここでアオバトが見れると聞いてきたんですけど」と聞くと、すでに3羽くらい木に入ってきているとのこと。
人が木の近くにいると警戒して降りてこないから、下がって待つように言われました。

その後、しばらく待っても降りてくる様子もなく、おばちゃんの一人はどこかへ行ってしまい、三脚を立てて待機していたおっちゃんは、周辺の様子を見に行きました。
私は言われた通り、木から離れたところで、じっと待機していたのですが、もう一人の残ったおばちゃんは待ちきれない様子で、木の下に行って枝を見上げてアオバトがいるか探しています。

そこへ、
「あんなことしたら、降りてこなくなります!」
と、双眼鏡を首にかけた、普段から観察していると思われるおばちゃんがやってきました。
「これで1時間は降りてこなくなります。一人ならいいけど、他に待ってる人がいる時はねぇ……」と言って、木の下のおばちゃんを注意しに行かはりました。
注意されたおばちゃんは、どこかへ行ってしまいました。

『そうか……、しばらく降りてこないのか……』
それでも、木の中にいるのだから、そのうち降りてくるだろうと、引き続き待つことにしました。


しばらく一人で待っていると、ハトらしきものが2、3羽、木に入って行くのが見えました。

今の、アオバト?

シルエットは、確かにハトでしたが、色までは確認できませんでした。
すると、周辺の様子を見に行っていたおっちゃんが、「いま、来たやろ?」と戻って来ました。
どうやら、今のがアオバトだったようです。
おっちゃんは、少し離れたところに三脚を構えて待機。
その後も、2、3羽、同じように飛んで来て木に入って行きました。
しかし、枝にとまっている姿を確認しようとしても、小鳥みたいにちょこまか動くわけでもなく、木の外からではまったく分かりません。


再び、静穏な時間が経過していきます。

と、そこに、
「先ほどは、すみませんでした」
と、さっき木を覗き込んでいて注意されたおばちゃんが戻ってきました。
なんでも、この園内でアオバトが見られるという話を聞いて、一年くらい通ってるけど、まだ一度も見たことがないということです。
手には、高倍率ズームレンズのコンパクトデジタルカメラを持っています。

そこに、もう一人、双眼鏡を持ったおっちゃんが来ました。
おっちゃんは、午前中に一度見れたそうです。
それから、しばらく三人で待ちます。(少し離れたところに、三脚を構えたおっちゃんもいます)
木の中には、確かにハトがいるはずなのですが、まったく動く気配がありません。

と、突然、ハトらしきシルエットが、一段下の枝に移るのが見えました。
しばらくすると、また一段下の枝に移動しました。

だんだんと、降りてきているのか?
ということは、もうすぐ地上に降りてくる?

注視して待っていると……


降りて来た!


急いでiPhoneのロックを解除して、照準器の電源を入れる。
捉えた!

しかし、隣の双眼鏡を持ったおっちゃんは見つけられません。
距離も離れていますし、派手な色に見えても、草にまぎれると、あんがい目立たないものです。
iPhoneの画面を見せてあげると、「分かった!」と、おっちゃんも確認できました。
おばちゃんは、別の角度から撮影しています。

「お、オスも来た」と、おっちゃん。
「え?どこか違うんですか?」
「肩のとこが、紫になってるやろ」
「あ、ホントだ」
10羽はいるでしょうか。
あのドングリを丸呑みしています。



(35mm判換算レンズ焦点距離:990mm x iPhoneのデジタルズーム2.0X|f値:2.4|シャッタースピード:1/181|ISO:50)

(35mm判換算レンズ焦点距離:990mm x iPhoneのデジタルズーム2.0X|f値:2.4|シャッタースピード:1/164|ISO:50)

(35mm判換算レンズ焦点距離:990mm x iPhoneのデジタルズーム2.0X|f値:2.4|シャッタースピード:1/181|ISO:50)


夢中になって撮影していると、5分ほどで飛び去ってしまいました。
おばちゃんは、一年越しの思いが叶って喜んでいました。



結局、2時間くらい、じ〜っと待っていたことになりますが、それだけのことはあります。
日本のハトとは思えない綺麗さ。
降り立った瞬間、木の周辺だけが別世界になった感じがしました。


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・鳥の写真は、フィールドスコープにiPhoneを接続して撮影しました。
詳しくは、こちらをご覧ください。
iPhoneで望遠撮影 -1:フィールドスコープ

・写真は、ファイルサイズの縮小以外、手を加えていません。