2019年10月9日

iPhone 11と11 Proどっちにする?〜カメラの違い〜


iPhone 11シリーズのカメラで一番のトピックといえば、やはり超広角カメラでしょう。
シングルカメラだったiPhone XRの後継であるiPhone 11にも、超広角カメラが搭載されデュアルカメラとなりました。

超広角カメラについては、各テック系ニュースサイトでも多く取り上げられています。概ね「楽しい、便利、でもAndroid端末では以前から採用されていた、やっとiPhoneにもついた、Androidの後追い」といった内容で、表ヅラは好意的な印象をかもし出そうとしつつも、ライター自身は冷めた目で見ているような論調です。

それはさておき、超広角カメラはiPhone 11、11 Proのどちらにも搭載されているので、カメラについて比較検討する対象にはなりません。
両者のカメラの違いなると、結局、前シリーズであるXSとXR同様、望遠カメラの違いになります。


では、望遠カメラの必要性はいかほどか?
これまた、テック系ニュースサイトの記事を読んでいると、
・iPhone 11もデュアルカメラになって、Proと同様の完全なポートレートモードが使えるようになったから、望遠カメラはなくてもいい。
・広角のポートレートモードのほうが使い勝手が良い。
・超広角は距離が取れない場面でも広範囲を写せるから必要性が高いが、望遠(52mm程度の)は寄ればいいだけだし使わない。
といったようなことが書かれていました。


しかしですねぇ……
広角は歪むんですよ。
iPhone 11についてるカメラは『超広角』と『広角』なんです。『超広角』と『標準』ではないんです。
『標準』と言えるのは11 Pro Maxに付いている『望遠カメラ』なんです。
この望遠カメラが、実際に人が見ている視野に近い見え方をするのです。

では、その広角の歪みで何が困るのかというと、人物だと思うのです。
どんな写り方をするか、マネキンで撮り比べてみました。(iPhone XS Maxで撮影)

頭部を小さめに作られているマネキンでも、頭部が間延びして見えます。
いわんや、これが一般的な女性なら、なおのことゴニョゴニョゴニョゴニョ……。


次はバストアップ。

やはり、広角は間延びして見えます。


もうちょっと比べてみましょう。


広角カメラでポートレートモードを使えるほうが離れなくてもいいから便利とも言われますが、本来の「ポートレート」=肖像画・肖像写真としては、やはり望遠カメラのほうが自然に見えます。

もっとも、iPhone 11でも、デジタルズームすればいいのですが。
デジタルズームは望遠カメラに切り替わらないように1.8倍で撮影。
デジタルズームを使うと画質が落ちますが、スマートフォンで見る程度なら気になることはないと思います。
右端の写真は、広角でローアングルから撮影して、歪みを利用して脚を長く見せています。


注目の集まる超広角カメラに対して、以前からポートレートモードくらいしか話題にならず、邪気にされている感のある望遠カメラですが、人物の撮影以外にも、上方からの“ブツ撮り”で影を落とさずに撮れたり、意外に日常でも活躍してくれると思います。