2023年12月25日

iPhoneでレンズフィルターを使う

 「フィルター」と言ったら、今やソフトウェアによる画像処理のことを思い浮かべる人がほとんどでしょう。
でも、レンズ交換式カメラを使っている人にとっては、レンズに取り付けるフィルターのほうが馴染み深いかもしれません。

そのレンズフィルター、スマホで使っている人は、ほとんど見かけません。
それも当然、スマホはレンズフィルターを取り付けられるようにはなっていませんから。

そこで、こういった製品もあります。

49mm径のフィルター枠がついたクリップで、スマホを挟み込み取り付けます。
49mmという大きさは、フィルターの種類も豊富で、またiPhone Proシリーズの3つのカメラすべてを覆うことができます。

ただ、私はクリップ式の固定はスマートとは思えません。
クリップが画面に干渉し、場所によっては操作に影響してしまいます。

そこで、スマートフォン用フィルターホルダーを3Dプリントでつくりました。

エツミのマグネットマウント(N極/S極、どちらでも可)を使い、同じくエツミのカメラネジ(短)で固定します。

このエツミ マグネットマウントは、磁石と吸盤の力でiPhoneの背面にくっつきます。
ただし、磁石といってもMagSafe規格ではないので、MagSafe対応アクセサリーのように、バチッと決まった位置に磁力でくっつくような感触はありません。
(※マグネットマウントの磁力が弱いわけではありません。金属面であればしっかりと磁力でくっつきます)
ですから、吸盤に頼る部分が大きいので、吸盤が張り付くようなツルツルした平らな背面でなくてはなりません。
ケースでいうと、ポリカーボネートやTPUのケースは使用できます。シリコン製も試してみましたが大丈夫そうです。iFaceのようなカーブした面もくっつきます。
一般的な吸盤がくっつかない素材、例えば凹凸のある背面だったり、表面がザラザラしてたり梨地のようなケースは使用できません。

iPhone本体に直接装着する場合、背面がガラス製の機種は使用できますが、アルミ製の機種は使用できません。
また、背面からレンズの高さが3.2mm以上の機種は、フィルターホルダーがレンズに当たってしまいます。
具体的にはiPhone 13 Pro以降の機種はケースをつけていないと使えません。

この3.2mmというのは、ほとんどのiPhone 15 Pro Max用のケースでも装着できる高さです。

フィルター径は30mmです。
30mmサイズのフィルターは種類が少なく、現在市販されているものでは、PLとクロスフィルター、それにND(4)の3種類ほどです。

それでも、この3種類があれば十分に楽しめます。
これらフィルターの効果についてはKenkoのサイトが分かりやすく解説されています。(さすが!)


実際に撮影した写真で効果を見ていきたいと思いますが、その前に、使用する際の注意点を。
・撮影の際はマクロモードをオフにする必要があります。
設定>カメラ>マクロ撮影コントロールをオンにして、撮影中にマクロモードのアイコン(チューリップのアイコン)が出たらタップしてオフにします。

・望遠カメラで使う際は『ProCamera』などのサードパーティー製カメラアプリを使う必要があります。

・フィルターを取り付ける際、ねじは傾いた状態で回さないでください。一度、反時計回りに回してみて、ねじ山が噛み合う箇所を探ってください。
決して、無理に回さないでください。

●PL(偏光)フィルター

外枠が回転するようになっていて、光の反射具合をコントロールできます。
青空を鮮やかに写したり、

水面の反射を抑えたり、

逆に反射を強くしたり、

虹もくっきりと写せるようになります。

●クロスフィルター

強い光の線を十字(クロス)に引き伸ばし、キラキラした感じを演出します。
こちらも外枠が回転できるようになっていて、光の線の角度を変えることができます。

●ND

サングラスのように光の量を減らします。
カメラではスローシャッターの撮影に使われますが、iPhoneの場合、ナイトモードのコントロールにも有効です。
例えば、日が暮れてきて通常の写真では暗くなってきたけど、まだナイトモードにはならないような明るさの時、このNDフィルターを使えばナイトモードをオンにできるようになります。


PLとクロスフィルターの前面には30mmのねじが切ってあるので、フィルターを重ね合わせることもできます。
ただし、広角(1x)で撮影すると、フィルターの枠が4隅に写り込みます。


ステップアップリングを使えば、もう少し大きな径のフィルターも使えるようになり選択の幅が広がります。
マルミでは37mmのラインナップが充実しています。

私は中古カメラ屋さんで、いくつか見つけてきました。

【作例】

通称『モネの池』

千里川土手

清水寺

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写真もデジタルになって編集でどうにでもできるようになる時代に、わざわざレンズフィルターを使う意味があるのか?という疑問もあります。
でもね、取っ替え引っ替えフィルターを交換しながら撮っていると楽しいんですよ。

で、KenkoのEXAPROと私のつくったスマホ用フィルターホルダー、どちらがいいのかって話ですが、そりゃあ、既製品のほうがいいに決まってます。

それでも、このスマホ用フィルターホルダーを使ってみたいという人は、こちらから3Dプリントの発注ができます。



2023年6月16日

整備済製品のiPad Pro 12.9インチ(第5世代)を購入

iPad Pro 12.9インチ(第5世代)の整備済製品を買いました。第1世代iPad Pro 12.9インチからの買い替えです。
2023年6月時点の現行モデルは第6世代ですので、一つ前のモデル(2021年発売)となります。

第6世代との主な差はチップがM1かM2かの違いと、Apple Pencilのホバー機能、Pro less動画の撮影といったところ。

チップの差は、もはや常人のワタシでは到達できないような差だろうからM1で十分。
Apple Pencilのホバー機能は便利そうだけど、そんなに使用頻度は多くないので、まあいいや。(そもそもApple Pencil第2世代を買っていない)
Pro loess動画は、iPadで本格的に動画を撮ることはないと思うので必要ないでしょう。

筐体やLiquid Retina XDRディスプレイ、Thunderbolt / USB4ポートといった本体の仕様は変わりません。
そうなると前モデルの第5世代で十分、ということで整備済製品を買いました。


さて、届いた整備済製品のiPad Proの中身です。(店頭受け取り)
箱は冒頭の写真のように製品名のみの印刷で真っ白ですが、箱のつくりは新品と同様、上蓋を置くと職人の作った茶筒のようにゆっくりと降りていく、あの上等なつくりです。
同梱のケーブルや電源アダプタは新品、本体も何が整備済なのか分からないくらい新品同様でした。

使用してみても性能に物足りなさを感じることは一切ありません。
それどころか、iPhone 14 Pro Maxがもたつくように感じるくらいM1は快適です。


ケースはiFaceのフルカバータイプ。
そもそも、iPad用ケースの種類は、iPhoneに比べると格段に少ないです。
その中でも12.9インチ用のケースは、さらに種類が少ない。
その上、主流はフラップタイプ。シンプルな背面保護タイプでも、キーボード装着やApple Pencilの充電のため4辺を完全にカバーできるケースは非常に少ないです。
というか、このiFace以外ないのでは?

ということで、このiFaceのケース、背面と4辺が覆われているので、当然Smart Connectorは使えません。
しかしApple Pencilの充電は可能。


各ボタンはTPUで覆われているものの軽いタッチで押せて、非常に好印象。


無骨に盛り上がった外縁のTPUも、かえって薄くなったベゼルの可搬性、操作性を助けてくれます。

さらにストラップホールもあります!
こんな重い端末を保持できるのか不安もありますが、2箇所あるので持ちこたえられるかな?

私の使い方に最適と思われるのは、このケース以外に選択肢はありませんでしたが、iPadケース史上最高のケースと言いたいくらい気に入りました。


もう一つ、いや二つ、本体と同時に購入したものがあります。
このiPad Proは、私にとってはじめてのUSB-Cポートを搭載した端末です。
よって、初代iPadから使っていた30ピンDockコネクターがとうとう使えなくなってしまいました。

仕方がないので、AppleのUSB-C - USBアダプタとTranscendのSDカードリーダーを買いました。

まずはUSB-C - USBアダプタ。
供給電力が上がったことで、これまでLightningコネクターでは使えなかった外付けSSDが使えるようになりました。これでiPadの使い道が、さらに広がります!

さらにさらに、Macで使っているオーディオキャプチャー(いつのだ……)も使える!
試しにGarageBandでレコードを録音してみましたが、ちゃんと録音できました。

SDカードリーダーはApple製だと6000円もするので、2000円ほどでTranscendのカードリーダーを買いました。

マイクロSDカードもアダプターなしで刺せるので使い勝手もいいです。
ただ、転送速度がUHS-1までの対応なので、UHS-ⅡのSDカードを使っている人は高くてもAppleのUSB-C - SDカードリーダーを買ったほうがいいでしょう。


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私は今回、はじめて整備済製品を購入しました。(ちなみにApple Storeアプリから購入)
今、整備済製品を購入すべき理由は2つあると考えます。
一つは端末価格の上昇。
最近のApple製品は、円高の影響も加わり特に上位モデルの価格上昇が顕著です。
もう一つは性能の向上。
iPhone、iPadの性能は、1、2世代前のモデルでも日常的な使い方なら、なんら困ることはないくらいに向上しています。
そのようなことから、私のように現行モデルほどの性能を必要としないなら、今こそ整備済製品はいい選択肢ではないでしょうか。



2023年5月8日

iPhone 14 Pro カメラの進化と動作確認

この写真はiFixtitが撮影したiPhone 14 ProのX線写真を元に、イメージセンサーのサイズを旧モデルと比較してみたものです。
 https://www.ifixit.com/News/65159/iphone-14-teardown-wallpapers 

iPhone 14 Pro(Max)では、それぞれのカメラが、どう進化したのか、どんな動きをしているのか見てみます。

●超広角カメラ

iFixtitが撮影したiPhone 14 ProのX線写真を見ると、超広角カメラのセンサーサイズが大きくなったのが分かります。
Appleは超広角カメラにいろいろと役割を与えました。マクロ撮影、Macとの連携カメラ、アクションモードをオンにした時も超広角カメラに切り替わります。(アクションモードでは、画角や手ブレ抑制の関係で超広角カメラの使用が中心になると想定されているのでしょうか?)
写真の画質向上のためだけでなく、これらいろいろな役割のためにセンサーサイズを大きくする必要があったのかもしれません。

マクロモードは、メインカメラ(1x)で撮影していても、被写体が接近すると超広角カメラのデジタルズーム(0.5x→1x)に切り替わります。
マクロモードに勝手に切り替わってほしくないなら、設定>カメラ>マクロ撮影コントロールをオンにして、マクロ撮影時に出現するマクロモード切り替えボタンをオフにすると超広角カメラに切り替わることはなくなります。

超広角カメラの写真モードでは、メインカメラを隠すと画面全体が露出オーバー状態で真っ白になるのはこれまで通り。

●メインカメラ

これまで『広角カメラ』と称していましたが、14シリーズからは『メインカメラ』となりました。2xでもこのカメラを使いますし『広角カメラ』では具合が悪いですからね。
メインカメラの一番の見どころは、なんといっても格段に大きくなったイメージセンサーです。
従来の12MPから48MPに高精細化されました。
しかし、通常は4つのピクセルを仮想的に1つのピクセルとして扱う「クアッドピクセル」により12MPのHEIF(またはJPEG)で撮影されます。
48MPで撮影するには設定の「ProRAW解像度」で48MPを選択しておかなければなりません。

48MPは後ほど見ていくとして、まずはクアッドピクセルの12MPから。
1xの画角は、従来の26mmから24mm (35mm版換算)とさらに広角になりました。
12 Pro Maxでは、設定でHDRのオン・オフが切り替えられるようになっていましたが、13 Pro以降ではその項目がなくなりました。
また、Deep Fusionも、12 Pro Maxではカメラの設定で「フレームの外側を表示」をオンにするとDeep Fusionがオフになるという話があり、実際に試すと、確かに違いが確認できました。
しかし、14 Pro Maxで試してみたところ、その違いは確認できません。
そのようなことから、13 Pro以降のスマートHDR 4においては、もはやHDR合成が当たり前のこととされたようです。

この「スマートHDR 4」というバージョンは、13 Proから変わっていません。
今日のスマートフォンのカメラはハードウェアだけでなくソフトウェアによる処理が重要になっているので、この部分に変化がなかったことに驚きました。

バーストモードではDeep FusionやHDR合成されないJPEGの写真になります。
やはり細部の描写は合成された写真より劣りますが、動いている被写体を撮影する際は、HDRだと合成のズレのような跡が残ることがあるので、バーストモードで撮ったほうがいい場合もあります。

そして、48MPイメージセンサーの中心部分を切り抜くことによって、12MPで2x(48mm)の撮影ができるようになりました。

12MP撮影でのデジタルズームは、
・1.1〜1.9倍まではクアッドピクセルでのデジタルズーム
・2.1倍〜はイメージセンサーの中心部を利用した12MPでのデジタルズーム
となります。(3倍以上でも場合によってはメインカメラのデジタルズームが使われます)

●望遠カメラ

iFixtitのX線写真から分かるように、望遠カメラのセンサーサイズは、12 Pro Maxからずっと変わっていないようです。

望遠カメラを搭載するiPhoneでは、薄暗い状況になると、3x(機種により2x、2.5x)に切り替えても望遠カメラを利用せず、広角カメラのデジタルズームで撮影されます。
解像度は落ちても、そのほうがノイズが抑えられて“まだマシ”な写真になるからです。
それは14 Proでも変わりません。
ただ、従来は1xから2.5xや3xに拡大していたものが、14 Proでは2xから拡大できるので1.5倍のデジタルズームで済み、画質の劣化がこれまでより抑えられます。

さすがに拡大すると厳しいですが。

●48MP

48MPはProRAWでしか撮影できません。高精細ですが、1枚あたり80MB〜100MB以上のファイルサイズになってしまいます。

拡大して12MPと比較してみました。
48MP側はピクセル等倍、12MP側は48MPと同じになるように拡大。
『ProCamera』などのサードパーティ製高機能カメラアプリの中には、48MPでJPEGやHEIFで撮影できるものもあり、それらですと高精細のまま1枚あたり10MBほどに抑えられます。

12MP撮影時のデジタルズームは、これまで同様、ズームしていっても画像サイズは4032 x 3024ピクセルのままでしたが、48MP撮影でのデジタルズームは、1.2倍…1.5倍…とズームしていくと、30MP…19MP…と48MPからトリミングされ、サイズが小さくなってしまいます。

48MPで撮影した写真を編集や画面比4:3以外で撮ると、元の写真に加えて編集された写真のJPEG写真(48MP)が生成されます。
下の例の場合、元のProRAW 48MP写真が91MBで、バックグラウンドで11MBの編集されたJPEG写真が生成されていて、計102MBとなっています。
iPhone内でしか写真を保存・管理してない人は注意が必要です。

2021年10月13日

“非”充電MagSafeスタンドを作る

 MagSafeが発表されてから1年が経ち、対応する充電器関連の製品はそこそこ発売されています。その多くは、Apple製MagSafe充電器をスタンドにはめ込んで使用する形態です。

しかし、私が欲しいのは、ただ磁石でくっつくだけの充電しないMagSafeスタンドです。
そんなの何のメリットがあるのかと言われそうですが、コードがなければどこにでも置けますし、スタンドの脚をホールドリング(バンカーリング)のように指で挟めば、片手で持っての操作もやりやすいはず……と考えていたのですが、いまだにそのような製品は発売されていません。

ないなら作る。

材料はこちら。
・AppleのMagSafe充電器対応アルミスタンド。(おそらく販売元で名前が変わるノーブランド品)

・エレコムのMagSafeステッカー MAGKEEP

・100円ショップのビン(蓋を使用)

エレコムのMAGKEEPは、壁などに貼ってどこにでもiPhoneをくっつけられるという製品で、このスタンドを作る上で欠かせない存在なのですが、一つ小言を言わせてください。

「文字を入れるな!!」

似たような製品が他にもあって、そちらは文字の入っていない柄のみなのですが、お店の在庫がなく取り寄せだったため、簡単に入手できるエレコムのものを使いました。


さて、アルミスタンドのMagSafe充電器をはめ込む部分の直径が56.2mm。
対して、ビンの蓋の直径は約58mm……
はまりません。

ということで、削りました。


ビンの蓋にMAGKEEPステッカーを貼り、それをスタンドにはめ込んで完成!

横から見ると、まあまあ出っ張ってます。
しかし、接着しなくても12 Pro Maxを支えられるくらいピッタリとはまりました。


MagSafe対応のApple製クリアケースを装着したiPhone 12 Pro Maxを付けてみます。

微妙な吸着力です。
ネオジム磁石みたいに「バチッ」とくっつくかと思ったら、「パコ」って感じで普通の磁石程度の吸着力です。
ですから、当初考えていたホールドリングのように片手で持って操作する場合、下からスワイプだとか親指を大きく動かすような操作をすると簡単に外れてしまいます。

そしてなにより、重い!
さすがに12 Pro Max+スタンドの重量は、片手で操作するには思った以上に重いです。


手に持っての操作はうまくいきませんでしたが、スタンドとしての機能は、ちょうどいい高さ、縦横回転自由自在、Lightningケーブルもさせて充電できる(ん?)と申し分ありません。

MagSafe関連では、ホールドリングの形態のものもありますが、これこそケーブル邪魔!



2021年10月12日

何じゃコレ?Apple製iPhoneクリアケース

 クリアケースといったら、多くは1,000円代、なんだったら100円ショップでも売っている安価なケースの代表格。
それが、AppleのクリアケースはiPhone 12 Pro Max用で6,050円(Apple Store価格)もします。

高い理由の一つに、MagSafe対応ということが考えられます。
そしてもう一つ、多くの人が思うのは「Apple製だから、お高いんでしょ」ということではないでしょうか。
ケース自体は他のメーカーのものと大差ないけど、Appleというブランドのプレミア価格で高いのだろう、と。

私も、一部それはあるだろうと思いました。
6,050円というのは、Appleのシリコンケースと同じ値段です。
製品説明を見ると「ポリカーボネートと柔軟性のある素材を組み合わせた設計」とあります。
「柔軟性のある素材」というのが具体的に何なのかはわかりませんが、たぶん、よくあるポリカーボネートとTPUのハイブリッドケースだろうと思い、それならMagSafe対応を考えても、せめて5,000円くらいにしてくれよ、という思いはありました。

このクリアケースを買った理由も、シリコンケースで気に入った色がなかったからという消極的な理由で、MagSafe以外は特に期待することはありませんでした。


ところが、箱から取り出して触ってみた瞬間、こいつは他のクリアケースとは別物だぞ……と感じました。
ツルツル……いや、トゥルトゥル。そして、スベスベ……何を言ってるんだ?という表現力で申し訳ありませんが、持った感じはしっとりとしているのにサラサラしてる、トゥルトゥルのスベスベなんです。
側面と背面をつなぐ角の絶妙なラウンド具合と相まって、手に持っていて非常に気持ちのいい感触です。
Appleのシリコンケースも気持ちいい感触ですが、それとはまた違う気持ち良さです。

ただ、手触りはいいのですが、スベスベしていることもあって落としそうで怖いです。
Appleのケースで保持しやすさを比べると、シリコン>レザー>クリアという順番になると思います。


さて、いい手触りだなぁとケースの表面を見ていると「あれ?何じゃコレ?」と不思議に思うことが。

「ポリカーボネートと柔軟性のある素材を組み合わせた設計」ということなのですが、一般的なハイブリッドケースでは、背面にはポリカーボネート製のプレートを、側面には柔軟性のあるTPUを使用していて、クリアであっても素材のつなぎ目は見分けがつきます。

この写真はエレコムのケースです。ポリカーボネートよりTPUのほうが少し白濁していて素材の違いが見てとれます。

ところが、このAppleのクリアケースは、そのつなぎ目がわかりません。
側面全体を「柔軟性のある素材」で囲ってあるのだろうと思い見てみるのですが、さっぱり見分けがつきません。
ボタン周りを触ってみると、確かに軟らかい素材でできています。
しかし、ボタン周り以外の縁を触ってみるとポリカーボネートのように硬いです。

「柔軟性のある素材」を使っているのはボタン周辺だけで、側面はポリカーボネートか?
しかし、脱着時には側面も「柔軟性のある素材」のような感触がします。

どうなってるんだろうと、あれこれ考えて感触を頼りに探っていった結果、どうやらピンク色の部分が「柔軟性のある素材」のようです。

それでも、素材のつなぎ目は区別がつかないので確証は持てませんが。


その他の特徴としは……
・脱着はしやすい。
・ボタンは押しにくい。
・カメラ周りはケース背面の厚みと合わせ3mm盛り上がっているので、カメラを下にして置いてもレンズが接地面に触れることはありません。


ぱっと見はリング状のMagSafeの磁石が背面に付いているだけで、他のクリアケースと違いがあるように見えませんが、手にすると、その違いが実感できます。
「Apple製だから、お高いんでしょ」は、ただのプレミアではありませんでした。
なんでもないようなクリアケースにも、Appleの執拗なまでのこだわりが詰まっていたのです。