2016年4月30日

Astropadを使ってみた〜iPadをMacの液晶ペンタブレットにするアプリ〜

Astropadは、iPadをMacの液晶ペンタブレットにしてしまうアプリです。













執筆時¥2,600

対応するiPadは「iOS 8搭載の全てのiPad」と記載されているので、iPad AirやiPad miniでも使えるようですが、iPad ProとApple Pencilの組み合わせでこそ、その真価を発揮すると思います。

Mac側のアプリは、開発元のサイト(http://astropad.com)からダウンロードします。(無料)
(ダウンロードしたらアプリケーション フォルダーに移す……という慣習を忘れかけてた)
対応するMacは「Mavericks搭載以降の全てのMac」とあります。
MacBook Pro(15”, Mid 2010)という古い機種でも、ストレスなく動作しています。
※OSは、El Capitanを使用しています。


(以下、アプリのバージョン:1.4.2/iPad Pro 12.9", iOS 9.3.1/Apple Pencilで検証)

iPad、Mac双方のAstropadを起動すると、自動的に接続されます。
Mac側で、iPadに表示する範囲を決めます。

さて、準備も終わり、どんなもんだろうとPhotoshopを起動して試してみると……、

「お〜、これはスゲー!!」

驚きました。
これは、驚きました。


・線を引いてみます。
遅延は、あります。
いや、ある場合があります。
ですが、ライン・プレビューのおかげか、極端な遅延でない限り、意識することなく作業できました。
詳細は後述。

・Wi-Fi接続で、じゅうぶん使えます。
Macとの接続も、両方のアプリを起動するだけで、わずらわしい設定はありません。
作業の途中で、「ちょっと、ここはAstropadでやろうかな」といった場合にも、気軽に起動できます。
描画速度をUSB接続と何度も比べてみたのですが、違いはわかりませんでした。

・筆圧感知
精度は、使用するMac側のアプリに依るところもあると思いますが、線の入り・抜きも自在にコントロールできました。

・パームリジェクション……というか、Apple Pencilを設定すれば、作業画面はペンにしか反応しない仕様です。(こういう方式のほうがいい)
指で触っても、赤丸バッテンが出て反応しません。
左端にある、ショートカット呼び出しの白いリングは指でも反応します。

・iPadのバッテリー消費は、「普通」レベルじゃないでしょうか。
みるみるうちに減っていく!ということはありません。

・Macをデュアルディスプレイで使っている場合は、どちらか片方のディスプレイを選択します。画面をまたいで使うことはできません。


問題点もあります。
・スクロールすると、画面が動く時にブロックノイズが発生します。
ただ、液晶ペンタブレットという用途を考えれば、それほど作業に影響はないと思います。
また、ブラシサイズを大きくして描いた場合にも、ブロックノイズが出る時がありました。(これは、Macの性能が低いせいなのかもしれませんが)
ブロックノイズは、Wi-FiでもUSBでも違いはありませんでした。

・iPadの画面表示に「LIQUIDテクノロジー」という技術を使用しているということなのですが、Macの画面を100%忠実に映し出しているわけではありません。
淡〜〜いグラデーションの境目や、不透明度10%の1ピクセルにこだわるような作業は難しいかもしれません。
逆に言うと、それくらいの差しかありません。
上半分がMac、下がiPadの画面のスクリーンショット。

・先に書いた、線を引いた時の遅延について。
まず、線の描き始めが遅れます。
ペン先を画面につけて、一ぱく待てばいいのですが、ペン先をつけた瞬間に描き始めると、描画が遅れます。
マゼンタの線が、ペンが動いたプレビューライン。それに対して、カーソルはまだ動き出していません。

次に、素早く線を引くと、カーソルの動きも遅れ、さらに描画も遅れます。
もっと速く描くと、線が途中までしか描かれないことがあります。

描きはじめの遅延は、ライン・プレビューもありますし、画面の描画もすぐに追いつくので、特に気になることはありませんでしたが、素早く描いた時の遅延は、明確に遅れます。

ですから、『スー、スー』という描き方なら問題ないと思いますが、『サッ、サッ、サッ』といった、素早い描き方には不向きかもしれません。


* * * * * * * * * *

ワイヤレスで薄くて軽いというiPadの機動性と、Apple Pencilの描き心地が合わさって、個人的には、Macの最高の入力デバイスになりました。
(ホントにiPadの機動性は最高!そういう意味では、紙に一番近いデジタルデバイス)
Astropadは、iPadに新たな、しかも大きな役割を与えてくれるアプリでした。


そうそう、一つ注意してほしいのは、このアプリは「Duet Display」などのように、iPadをMacのサブディスプレイにするようなアプリではありません。iPadをMacの入力デバイスにするアプリです。
ワコムの製品で例えるなら、Cintiqではなく、液晶画面のついたIntuos、といったところでしょうか。

……

例えないほうがよかったか。



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